FILE No.41

 『 私は、レイヴンになる為にレイヴンになった訳じゃない…! 』


登録名 : ランスロット
機体名 : アロンダイト
所 属 : -
懸賞金 : 38000コーム


解 説 :
 特定の勢力に属さない在野レイヴンのひとり。
 (地上の)人々を圧迫する企業に反感を持ち、専ら在野勢力からの依頼を請け負っている。
 勤勉な性格で訓練を欠かさず、実力自体は低くないがいかんせん経験不足。
 手を汚し続けなければならないレイヴンの本質を身をもって理解しながらも
 理想を捨てきれず、ギリギリの生活を続けている。

 周囲の被害を抑えるために接近戦を想定し、装甲と機動力を両立させた中量二脚型ACを駆る。
 ブレードの腕は一定の評価を得ているが、直情的に動く傾向があり猪突猛進に陥りやすい。


投稿者 : TOTA様
■アロンダイト
仕様 : 近距離白兵戦型標準二脚

頭部 : -
胸部 : ミサイル迎撃装置

右腕 : ショットガン
左腕 : レーザーブレード
右肩 : 中型ミサイル
左肩 : 中距離レーダー
右格 : -
左格 : -
補助 : -
拡張 : 追加装甲

備考 : -
塗装
HEAD - ---/---/--- ---/---/--- ---/---/--- ---/---/--- ---/---/---
CORE(GENERAL) 通常 190/190/200 120/120/130 180/180/200 050/150/200 050/050/050
ARM R - ---/---/--- ---/---/--- ---/---/--- ---/---/--- ---/---/---
ARM L - ---/---/--- ---/---/--- ---/---/--- ---/---/--- ---/---/---
LEGS ---/---/--- ---/---/--- ---/---/--- ---/---/--- ---/---/---
WEPON  ARM R (GENERAL) :   ARM L : ■  HANG R : −  HANG L : −  BACK R :   BACK L :





憧憬



 炎が全てを包み込んでいた。
私の家族を、私の家を、私の町を。
私は、只立ち尽くしていた。
―――只々立っている事しか出来なかった。

私の前に私の町を燃やした機械が近づいて来た。
機械は私に銃口を向けた。私も炎に包まれるのだろう。
しかし私は立っている事しか出来なかった。


 ―――その瞬間。機械は突然炎を上げて、爆音と共に弾けて、壊れた。


そして、私の前に影が舞い降りて来た。
大きくて、人の形をしていて、そして、
―――何だかとても美しくて。


他の機械達がその影に向けて銃弾を嵐の如く撃ってきた。
しかし影はその銃弾の嵐をいとも簡単に避けていく。
―――まるで、踊っているかの様で。

影が踊りながら、持っていた右腕の銃で機械達を打ち抜いて行く。
すると、さっきの機械の様に、爆音と共に弾けて壊れていく。
一つの機械が、その踊る影に染まる。
そして影が左腕の剣を振り抜くと、機械から光が弾け、壊れた。
次々と機械達が影によって壊されていく。
―――あっけない程、圧倒的で。

気が付いた時には私の町を燃やした機械達は全て壊れていた。
そこにいたのは大きい、人の形をした影だけで、

それはとても強くて、とても美しくて―――


私は、只々その影を見続けていた―――



 目が覚めたら天井が目の前に写っていた。
ここは・・・トレーニング室?また鍛えてるうちに眠っていた様だ。
時計を確認すると、時刻は既に夜中の1時。体の節々が筋肉痛で痛み、乾いた汗が臭う。
私は体を起こすと、汗臭い体を洗い流す為浴室へ向かった。

また、「あの日」の夢か―――
シャワーに打たれながら、私は夢の内容を思い出す。
「あの日」からどれだけ経っただろうか。
幼少の頃の記憶は曖昧で、正確には何年前かも分からない。
只、「あの日」の光景だけが、スポットを当てて思い出される。
そして「あの日」から私の人生が変わり、今の私が居る。
燃やされた私の町、私の家族。燃やした機械達、燃やされる筈だった私。そこに現れた、影。

私は大きくなってから、あの機械達が何処かの武装勢力のMTで、
あの影はアーマード・コア―――「レイヴン」と呼ばれる傭兵が操る、人の形をした兵器―――である事を知った。

シャワーを止めて、浴室から出る。汗を流して濡れた体をタオルで拭いて、服を着替える。
「あの日」のACを駆っていたレイヴンは、未だに誰か分からない。
何分記憶が曖昧で、そのACの構成等も分からない。もう死んでいるのか、それともまだ生きているのか。
ジーンズを穿いて、シャツを着て、浴室から出る。

あれがレイヴンであると知った時、私はレイヴンになろうと決心した。
あのとても強くて、美しい、「あの日」の影になろうと決心した。
「あの日」の私の様な人を無くそうと、守れる存在になろうと決心した。
あの力なら、あの強さがあれば守る事が出来ると思ったから―――

 ”新着の依頼はありません。”

コンピューター端末のモニタに写された、何とも簡潔な文字。
私はため息をついて、椅子に座り込んだ。
「放烏の日」。レイヴン達を管理するレイヴンズ=ケイジが消滅してから、
トリニティに組み入らない私の様な独立系レイヴンを取り巻く環境は確実に厳しくなっていた。

いや、私は元からか。私は思わず自嘲する。

私はレイヴンになる時に、人を守る存在になる為の信念を決めた。
戦わない人間に危害は加えない。企業や特定の勢力に組み入らない。
何とも単純で青臭い信念だけど、これを無くしたら私は誰も守れないに違いない。

レイヴンになるという事は、例え敵でも人を殺す事だと分かっていた。
危害を加えない様に、という事が行動を制限し、自らを危険に陥れる事も分かっていた。
依頼を選ぶという事は収入が減り、生きていくのが厳しくなる事も分かっていた。
レイヴンがそんな青臭い信念で生きていける様な、易しいモノじゃない事も分かっていた。

―――それでも、この信念を貫いてみせると決めた。
例えこの手が血で汚れようとも、この信念は貫こうと決めた。
例え誰から嘲笑されたり、罵倒されたりしても、この信念は折れないと決めた。
例え「あの日」のレイヴンが「そう」じゃなくても、私は「あの日」のレイヴンになってみせると―――


―――そう、決めた筈だった。

分かっていた筈だった。
人を殺す事は分かっていた筈だった。
自分の命が危うくなる事も分かっていた筈だった。
生きていくのが厳しくなる事も分かっていた筈だった。
例え青臭い信念でも自分は貫いてみせると、そう決めた筈だったのに―――

物を燃やせば燃やすほど、

      人を殺せば殺す程、

       血で汚れれば汚れる程、

そんな青臭い信念が頼りなく折れそうになり、折れたくなってくる。

私はもう眠りたかった。こんな事を考えて、私の信念を折らせたくない。
しかし私は尚も考えて、私の信念を折らせようとする。

信念を無くさなければ生きられない。「あの日」のレイヴンなどいない。私は只レイヴンになれば良い。
しかし私は折れない。折らせまいと意地を張る。
信念が無ければ私は私で無くなる。私はレイヴンにならない。

私はレイヴンになる為にレイヴンになったのでは無いのだから。

私は椅子から立ち上がり、ベッドに倒れこむ。まだ体は筋肉痛が残って、痛い。
私の信念は明日もこの先も折れそうになるのだろう。しかし、まだ折れてない。まだ折れない。
そうやって必死で足掻いて、意地を張って信念を貫こうとするだろう。
それがずっと続くと思うと泣きたくなる。誰かにすがり付いて良いのなら、すがり付いて泣きじゃくりたい。
でも私は泣かない。私は守る為に戦うのだから、誰かに守られては守れなくなる。
私はそうやって意地を張って、眠りについた。
―――「あの日」のレイヴンを、夢に見ながら。








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